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2013年12月7日
10年以上スペイン語を話してるとは言え、音楽用語と日常会話以外はまったく自信のないスペイン語。
通訳という仕事がどれだけ大変な事かわかっているので、お願いされた時は「無理です」と言いましたが、「難しい内容ではない」「ミュージシャンであることが大事」などとプッシュされ、覚悟を決めて引き受けてしまいました。
お相手はなんとキューバの国宝ピアニスト、チューチョ・バルデス氏。音大でのワークショップの通訳。
私もほんとにいい度胸してるなと思いました・・
日本での最近の音楽活動の半分がスペイン語だったりするので、多少はなんとかなるのではと自分を励ましたりしましたが、やっぱり自信がないのでチューチョさんの経歴&スペイン語単語めっちゃ勉強しました(笑)今やチューチョおたくです。
実際お会いして、演奏と違って最初緊張しましたが、すぐ世間話で打ち解けまして本番も何やら終始和やかな雰囲気。講義中に三度くらい「え?」と聞き返してしまいましたが(通訳失格)終了後には皆様にお褒めの言葉を頂いて、嬉しくてその夜は自分にご褒美ってことで友人とワインを飲みに行きました。
ワークショップは学生さん向けだったのでシンプルな内容でした。気をつけた事は、出来る限り直訳で、でも専門用語は簡単に注釈を入れ、丁寧過ぎたりまわりくどい言い回しにならないこと。スペイン語がわかる事も大事ですが、日本語をスムーズに話せる事の方が大事だったりして、とも思いました。
また、私はキューバに住んでいたのでやはりスペイン人のスペイン語よりキューバ人のスペイン語の方がやっぱりわかり易いんだと実感しました。
質疑応答で、クラーベ(ラテン音楽特有の2−3または3−2のリズム)に関する質問が出ました。この話の時だけチューチョさんの説明に少し力が入り、喋りもスピードが増していきました。
素晴らしい見解でした。
「我々キューバ人は体で覚えました。基礎を知る事は大事だけれど、全てはメロディーに伴って存在しているだけなので、もしパーカッショニストにクラーベのあり方を質問してもわからない、と言われるかもしれない。」
メソードよりメロディー!素敵な発想ですよね。
チューチョさんは、クラーベという縛りから開放される為にいつも新しいものを創っているそうです。変拍子の曲になったらもう何が何だかわからないでしょ?そんなもんだよ、と。
アフロを勉強する為に近所の宗教音楽を演奏する場所で太鼓を叩き続けたり、彼のイラケレというバンドがヒットした背景には、ダンスナンバーを取り入れた事が一つのきっかけだったそうですが、なんとダンスナンバーを理解する為にまずダンスを改めて習ったそうです。体で覚えるのが一番早いですよね。
音大生の演奏の披露もあったのですが、チューチョさんのコメントがとっても優しくて100%ポジティブでなんだか私まで嬉しくなりました。こうやって後輩が育っていくのかな、と思いました。「これはこうじゃなきゃいけない、これはダメだ」というより「これは最高だからこっちはこうしてみたら」という発想って中々ステキだなと思います。
御年72歳!余裕がある人はやっぱり違いますね、、
ちなみに、チューチョさんとイラケレを創ったセニョール・クーバのオスカル・バルデス氏に私はパーカッションを習ったのですが、残念ながらもうお互い何年も会っていないそうで、私が今年オスカル師匠に日本の民謡を録音してもらったと伝えると、嬉しそうに話を聞いてくれ目を細めていました。なんだか色々想像するときゅーんとなりました。(マニアックな話ですみません)
ブルーノート公演素晴らしかったです。音がシンプルで、若手ミュージシャンが輝いていました。
ま、というわけで直前に必死に勉強した内容は殆ど役に立たなかった気がしましたが、引き続きスペイン語を勉強したいなと思いました。次の機会に備えて!?
次回ライブはこちら!